今回は、「アクセス解析が得意な人」「アクセス解析を苦手に感じる人」がそれぞれどういった特徴を持っているのか、をお話していきます。
アクセス解析はWebマーケティングにおいて絶対に必要な業務になります。アクセス解析がすべてのベースになると言っても過言ではありません。どんな業務においてもアクセス解析が必要になってくるほどの業務です。
こちらの記事ではまずアクセス解析とは何か?を説明したあと、アクセス解析業務に向いている人・向いていない人の特性について、私の経験をもとにお話しようと思います。
1.アクセス解析の仕事内容
まずは、「アクセス解析とはどういうものか」を簡単にお話しします。
アクセス解析とは?
アクセス解析とは、ホームページに訪れたユーザーのデータを分析する業務のことです。
どういったデータを見ることが出来るのか、一部を紹介します。
- たくさんの人が見ているページはどれか?
興味を持たれている・人気の記事は何? - ホームページを見てくれている人たちはどんな人たちか?
年齢・性別・地域・スマホorパソコンなど - ホームページを見てくれた人たちはどんな行動をしている?
すぐにホームページを閉じてしまった、他のページもたくさん閲覧したなど - どのページを見た人が購入やお申し込みをしてくれている?
お申し込みにつながったページはどれ?
一部ですが、アクセス解析を行うとこのようなデータを見ることができます。どういった人がどんな経路でホームページを見に来て、ホームページ内でどういった行動をしたのかが分かるものです。
アクセス解析の目的
なぜアクセス解析を行うのか。アクセス解析の大きな目的はデータを基に新しいマーケティング施策を検討すること、ホームページの改善点を見つけることです。
アクセス解析を行うことでホームページの状況を数字で正確に把握することが出来るため、改善すべき点が明確になり、目標としている数値に近づけやすくなります。また、ユーザーの心理を行動データに基づいて分析・推測した上で施策を考えることでより効果的な施策を実行することが可能になります。
他にもいつもとは異なるような数値(異常値)が出ていることを見つけた際は、何か不具合が出ていないか、こちら側が意図していないような動きが起きていないかに気づくこともできます。
このようにアクセス解析は、ホームページでより高い成果をあげるために不可欠な業務です。そのため、Webマーケターさんはほぼ100%アクセス解析を行うことになるでしょう。人によっては毎日行うような業務だという人や「出社して1番最初にするお仕事がアクセス解析」という人も多いでしょう。
それでは、ここからアクセス解析が得意な人、苦手と感じる人の特徴をお話していきます。
2.アクセス解析が得意な人、向いている人の特徴
①数字に強い人、数字に苦手意識がない人
「数字に強い人」と聞いて一番最初に思いつく例は「計算が得意な人」かなと思います。学生のときに数学が得意だった、数式を使用して計算することが苦ではなかった、ということはベースとして大事かなと思います。
- 高校数学の数ⅠA・数ⅡBあたりに苦手意識がなかった
- センター試験や共通テスト共通試験、大学受験の模試で9割以上安定して取れていた
という人はアクセス解析の適性が高い人が多いでしょう。
アクセス解析を行う上で、正確な数字が導き出せることは大切な要素です。分析結果をもとに今後の取り組みを考えていくため、その意思決定の根拠となる数字が間違っていると間違った方向に進んでいってしまいます。大きな損失につながることも多いでしょう。そのため、計算式を間違えないこと、もし間違ったとしても異常な数値が出たこと(予想とは異なる数値が出たこと)に気づけることも大切になってきます。また、どのデータを使用したら欲しい数値を導き出せるか、を考えることもアクセス解析業務に含まれています。
他にも「数字に強い人」とは、数字の意味を理解し、数字を使ってものごとを考えられる人のことも指します。数値やデータを見た際に「こういうことが起きたんだろうな」と考えることが出来る。また、ものごとを伝える際に「あのデータと数値を使ったら説明できそう」と考えられる。すなわち「数字と言語の行き来ができる人」が数字に強い人と言えるのです。
②論理的にものごとを考えられる人、論理的思考を持っている人
ここ数年論理的思考(ロジカルシンキング)という言葉をよく耳にするようになりました。お仕事をする上で大切な思考です。そんな論理的思考がアクセス解析には非常に役に立ってきます。
論理的思考とは、ものごとや起きている問題を整理し正しく把握した上で、課題を解決する際に役立つ思考法です。
また数学で例えてしまいますが、「証明」が得意だった人は論理的にものごとを考えることが得意な人であると言えるでしょう。
証明は下記のような手順で解いていきます。
- 仮定と結論を明確にする
- 仮定の段階で分かることを書き出す
- 結論を導くために何が分かれば良いかを考える
このように証明は伝えたい主張(結論)に向かって、根拠を筋道立てて考えていくものです。論理的思考そのものと言えるでしょう。
【①数字に強い人】でもお話したようにアクセス解析は「数字と言語の行き来ができる」ことが大切になります。アクセス解析は数字を使って物事を考えていきます。
一つ例を出してみます。
(問題)ページAでのお申し込み率が低い
(仮説)ページAに訪問している人の属性がうちの商品とマッチしていないのではないか?
(分析方法)ページAの訪問者とお申し込み率が高いページBの訪問者の属性を比較してみよう
(結論)ページAはページBと比較して20代の訪問者が〇%多かった。うちの商品のターゲットは40代以上のため、メインターゲットから外れた層が多く訪問していたページAのお申し込み率は低くなっていた。
ここから「この結果を踏まえて今後どうしていくか」を考えていくわけですが、今回はアクセス解析の説明のためここまでにしておきましょう。このように数字をもとに推測を立て、どうやったらその推測を証明できるのか、を考えることもアクセス解析業務になります。
そのため、直感や感覚的に物事を捉えるのではなく、筋道を立てて矛盾・破綻がないように論理的に考え、結論を出す思考法は、アクセス解析をする上で非常に役に立っていきます。
③ExcelやAccessを使ったデータ処理が得意
職場でExcelやAccessを使用してデータ処理を行うことが得意、周りの人に教えてあげているような人はアクセス解析業務にもすっと入っていけるでしょう。欲しいデータを関数やグラフを使用して整理しまとめていく、という点でアクセス解析と目的は同じです。自分が必要とする結果を出すためにはこういう関数を使えば良さそうだな、とかデータを扱いやすくするために一度Accessでデータをまとめようなど、自分の欲しいデータを難なく加工出来ているという人はアクセス解析業務も問題なくこなせると思います。
④データを見て物事を考えることが好き
データを見て物事を考えることが好きな人もアクセス解析業務が向いているでしょう。むしろ、アクセス解析業務やマーケターとしてお仕事をしていると、「数字やデータのない情報なんてもう信じられない」という思考になっていくように感じます。
アクセス解析業務はあくまで数字をもとに物事を考える業務です。そのため、感情や個人の意見に振り回され、あたかもそれが大勢の人の意見だと思い込んでしまうような人は、そういったバイアスがかかった結論を出してしまう可能性があります。冷静にデータを読み解くためには、思い込みが障壁になってしまうのです。そのため、「数字やデータを通した根拠がない場合は疑ってかかる」「数字やデータのない情報を信じきれない」というくらい、ものごとの信憑性を大切にするような思考の人は、ストレスなくアクセス解析を行うことが出来るでしょう。
⑤物事を深く追究することが好き
一つの物事を深くいろいろな角度から考えることが好き、一つのことを追究していくことが得意な人はアクセス解析業務が向いているでしょう。
ものごとの結論を出すためにアクセス解析を行う際、一発で原因や結論を導き出せることはそう多くありません。そのため、いろいろな角度からデータを出したり、出たデータを掛け合わせて起こったことを推測したりなど、地道に検証していく能力が必要になってきます。
アクセス解析は「気合いを入れれば、やる気さえあれば」など、気持ちの問題で解決できるようなお仕事ではありません。そのため、物事ととことん向き合い深く追究することができる、「なぜ」を繰り返し重ねていき答えを追究していくことが好きな人にとっては、とても楽しい業務になるでしょう。
3.アクセス解析が苦手な人、向いていない人の特徴
①マニュアルのないお仕事が苦手
アクセス解析業務はマニュアル化が難しい業務です。そのため、
- マニュアルのない業務をどう行ったらいいのか分からない
- 正解が決まっていない物事にどう対応したらいいのか分からない
- 臨機応変に物事を考えることが苦手
- 状況に合わせてより良いやり方を検討することが苦手
こういった人はアクセス解析業務に苦痛を感じる可能性が高いです。
見るデータが固まってきたらマニュアル化できるという考え方もありますが、マーケティングの世界はすごいスピードで状況が変わっていきます。「以前はこういう方法でデータを見たら問題の原因を見つけられたけど、今は全然違う角度からデータを見ていく必要があるよ」ということがとても短いスパンで起こることも珍しくありません。また、様々な角度からデータを見ることでデータ解析の精度が上がっていったり、目的に合わせてデータの見方を変えていったりなど、その時に合わせてデータを扱う能力が必要となってきます。そのため、自分で考えてゴールを出すために道筋を作っていくことが苦手な人にはアクセス解析業務は難解と感じてしまうでしょう。
②仕事をする上で1~10まで指示がほしい
仕事は誰かに教えてもらうもの、という感覚の人だとアクセス解析業務は難しいかもしれません。また、お仕事をする上で上司や先輩に指示を出してもらいたい、と思っている人も厳しいかもしれません。少し厳しい言い方をすると「指示待ち人間」と言われているような人たちです。「初心者のうちはしっかりレクチャしてもらうのが普通じゃない?」という考えが浮かんだ人もいるでしょう。とても分かります。そちらの方が正しい考え方だと思っています。
しかし、マーケティング業界は1人前になるまでがっつりみっちりレクチャを出来るような人があまりいない業界であるため、どうしても自主的に業務を学んで行動していく必要があります。判断する場面も多いため、先輩や上司に常に質問をしていると一向に業務が進みません。そのため、指示がほしいタイプの人より自主的に自分の考えで案件を動かしていきたい人の方がより適性があるでしょう。
ただし、「指示待ち人間」のなかでも「自分で考える力自体はあるが、自分の判断が正しいか不安で自信が持てない」というタイプの人は経験を積むことによって、克服できる可能性はあります。
いずれにしても自主的に判断し行動することが苦手は人はアクセス解析業務に苦痛を感じる可能性が高いでしょう。
③ものごとを深堀りすることが苦手
アクセス解析は、ものごとを深堀していく業務です。そのため、
- 自分の結論が出るまで追究し続ける
- 「なぜ」を繰り返してものごとを考えていく
- 様々な角度から問題の原因を探っていく
- 何が正解か分からないなか、推測を立ててそれが証明できるか探っていく
このような思考が必要になってきます。
今までお仕事をしていて「ここはなんでこう思ったの?」と先輩や上司に尋ねられた際に思考が停止してしまうタイプだった人は、「なぜ」を追究し続けるアクセス解析業務に苦痛に感じる可能性が高いでしょう。
④物事を考える際は、感情を大切にしている
物事を考えるとき、判断するときに「私の直感がそう言っているから」や「みんなが楽しそうだったから」というように数字ではなく感情を大切にしている人はアクセス解析に向いていません。
もちろん、お仕事をしてきて直感やワクワクなど、感情を大事にした結果成功した、という経験がある人も多いでしょう。その経験自体を否定はしません。ですが、アクセス解析という業務に対しては客観性や論理的に結論を出すことが何より大切になってきます。
⑤何かを成し遂げるにはとにかく気合だ!
「気合」や「根性」は昨今、あまり良い印象を持たれない傾向があります。私は「気合」や「根性」を悪や劣と思っているわけではありません。なぜなら「気合」や「根性」も結果を出すために大切な要素の一つだからです。しかし、「気合」や「根性」だけではアクセス解析業務は務まりません。どうしてもアクセス解析業務には考え方のコツのようなものがあります。そのため、これまで「気合」や「根性」だけで困難を乗り越えてきたタイプの人はそのコツをつかみきれずアクセス解析業務に苦痛を感じるようになってしまうのです。
「今の自分は〇〇が出来ない。→〇〇が上手な人はこういう傾向があるぞ!→それでは、ここを中心的に練習してみよう!」というように困難を乗り越えてきたようなタイプの人でないと、アクセス解析業務に挫折してしまう可能性があります。
4.実際に求人を見て業務内容をイメージしてみよう
ここまで読んでみて
- 自分はアクセス解析業務向いていそう!
- まだ適性があるか分からないけど、興味は沸いてきた
- 少し適性は低めかもしれないけど、やってみたい…!
と思った方はぜひ、実際に転職サイトでWebマーケティングやアクセス解析業務の求人を一度チェックしてみましょう。
おすすめの転職サイトはこちらの4つです。
①Green
IT/Web業界の求人・中途採用情報に強い転職サイトです。IT/Web業界に強いだけあってマーケティング職の求人情報も多数掲載されています。業務内容も詳細に書かれていることが多く、マーケティング・アクセス解析業務のイメージがより付きやすくなるでしょう。「アクセス解析」とフリーワード検索していただくだけで、多くの求人を見ることができます。
また、実際に働いている人の声「社員の声」が充実していたり企業について詳しく記載してくれている会社も多いため、マーケティングやIT業界未経験の人でも働くことへのイメージがつきやすくなっています。
②ミイダス
自分の市場価値を測れることで有名な転職サービスのミイダス。自分の価値観やスキルを登録することで、実際にその会社やその業務が自分にマッチしているか確認しながら求人を見ることが出来ます。
そのため、マーケティング業務内容をイメージしながらご自身にその業務がマッチするのか、目安を知ることが出来るためオススメです。
③doda
dodaは転職サイトと転職エージェントを組み合わせたような転職サービスになります。
とにかくサイトが見やすいため、「とりあえずどんな求人があるのか見てみたい」という人にもぴったりです。また、求人数が多いため、上記2つのサイトには載っていないような企業に出会える可能性が高まります。
注意点は、まだ転職の方向性を決めかねている人は転職サイト(求人検索)のみの利用にしておくことです。
転職エージェントサービスを利用する際はエージェントさんが面談を行ってくれます。そのため、まだ方向性を決めかねている状況でエージェントサービスを利用してしまうとご迷惑をかけてしまう可能性があります。そのため、マーケティングで転職することを決めかねている人は転職サイト(求人検索)のみの利用にしておきましょう。
④マイナビエージェント
みなさんご存じでしょう。利用者満足度の高い転職エージェントです。20-30代や大企業への転職に強いと言われています。求人の数も多く、かつ優良求人も多いです。
しかしこちらは転職エージェントさんになるため、エージェントさんと面談し、じっくり転職を進めていきます。そのため、求人内容を見たいだけの場合は登録が出来ません。
そのため、まだ転職するにあたりしっかりと方向性が決まっていない場合は、登録を控えましょう。上記3つの転職サイトをチェックし、「Webマーケティングのお仕事探しがしたい」という気持ちが固まってきた段階で登録をすると有意義な使い方が出来るでしょう。
いかがだったでしょうか?
今回はアクセス解析業務が向いている人向いていない人の特徴をお伝えしました。この記事の情報からご自身のマーケティング適性をチェックし、適職探しの参考にしてください。
転職サービスサイトを上手に活用することで、よりご自身のマーケティング適性のチェックが捗るでしょう。